このたび出版された『持続可能な発展に向けた地域からのトランジション』(環境新聞社)の「トランジション・タウンの実践」の項目を、執筆者のひとりとして書かせていただきました。
武蔵野大学工学部サステナビリティ学科・白井信雄教授による編著です。
僕のライフワークである自律分散チームづくりは・・・
企業ビジネスだけでなく、自治体、NPO、地域コミュニティ、学校、医療・福祉機関、ひとり起業など、組織形態は問いません。
その意味では、ここで書いたことも本業と言っていいでしょう。
僕は、相模湖畔の藤野に移住してちょうど10年になりますが、白井先生のご支援を受けて、
気候変動が藤野地域に及ぼす影響を市民主体で調べ、課題を設定し、アクションするという活動をしてきた経緯を記しました。
われわれが『気候変動の藤野学』と名づけたもので、持続可能な社会づくりを楽しみながら市民レベルで実践していくトランジション・タウン活動の一環として深掘りしてみたわけです。
よくこのブログでも取り上げる「らしんばん」というフレームワークをここでも下敷きにしました。
ふりかえると、こんな感じになります。
1.想い
気候変動アクションを地域住民の手でやってみないかと白井先生にお声がけいただきイメージがいまひとつつかないけど
大好きな藤野の方々と取り組んでみたらいったいどんなことが起きるだろうという好奇心で引き受けた。
2.戦略
この活動を実現していくための原動力を、藤野地域の住民固有に存在する主体性や連携力の強さに求め、それを軸に動かしていくことにした。
3.仕掛け
テーマ的に、地元に長年暮らしよく地域のことを知って方々が必要なので藤野のまちづくり支援NPOの器を活用して参画者を集めた。
住民の日々の暮らしに根ざした良質な気候変動による影響事例が集まり、重点課題の議論も十分にできた。
4.カルチャー
結果として、地域をよりよくしたい意識を持ったコアメンバーによる和気藹々としたチームを形成することができ、そこから影響の輪を広げていく流れとなった。
このような活動の成果が評価され令和2年度気候変動アクション環境大臣表彰もいただきました。
その後、僕自身は若いリーダーたちにバトンを渡しましたが、彼らを中心にした活動は、市民による森の再生活動などにも拡張してますます活発に展開されており、
自律分散チームの可能性を実感しています。