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渡れぬ未来に橋を架けるのは「凡人」のお役目

旧いパラダイムが崩壊し、新しいパラダイムが創造されるときに、人々がどのような役割を果たすかを示す社会変革の地図として

ベルカナ研究所が提唱するのが「二つのループ」です。

この時代、世界のあらゆるところで、旧来の物事が機能しなくなり、かつ新しい物事もうまくいかないという混乱の真っ只中にあると、ベルカナ研の共同代表であるボブ・スティルガーさんは言います。

政治、経済、社会、環境などなど思い当たる節がたくさんですね。僕の専門とする組織論の世界でもそのとおり。

従来型の指示命令による階層型組織ではうまくいかない要素が大きくなってきている。

しかし、ティール組織はじめ最先端と言われるやり方は本当に機能するのか?

それを強力に押し進めたリーダーがいなくなった途端もとの形態に戻ってしまったというような事例も聞きます。

「二つのループ」は自分がどんな役割を果たすかを示す地図と言いました。

あなたはいまどこにいますか?

「旧パラダイム」をその役割が完全に終わるまで運命をともにしますか?

周囲がまったく理解してくれなくても「新パラダイム」を突っ走りますか?

僕は二択ではないと考えています。

そして、僕自身はこの両者の間を行ったり来たりしながらなんとか「橋を架けていく」役割を担いたいのです。

新パラダイムは、先端的な思考を持ったカリスマリーダーたちが担っています。

彼らは強い信念と行動力がありますから、他に耳を貸さないことも多いですね。

それでいいと僕は思ってます。突飛と思われる次元を切り拓くには独善性も必要でしょう。

一方、旧パラダイムも負けてはいません(笑)。いや、「旧」って呼ぶのはどうかなと正直思います。そこには、もうお呼びでないというネガティブな言葉の響きを感じます。

「現行パラダイム」ですよね。

長年の苦労含めた経験と実績のある方々はそう簡単にそれを手放しはしません。まぁ、それも役割。かな?

とすると、永遠に両者がつながることはありません。そこで求められるのが、橋を架ける役割です。悪い言い方をすれば、どっちつかず。優柔不断。

新パラダイムが時代的に求められることもわかるし、現行パラダイムから急には乗り移れないのもわかる。

この微妙な塩梅がわかる人は、たぶん僕含めて「凡人」に多い気がします。新世界しか見えないキレキレの天才ではなく。

僕の前職は、40年以上前から自律分散的な組織風土づくりを提唱し多くのベストセラーも出しているカリスマ創業者が率いていました。

ある製薬メーカーの支援に入ったとき、彼の著書を読んでファンだという支店長がいたのですが、

実際に会ってみたら、理想論ばかりで現場の実態をわかってないと激怒し、本をすべて庭で焼き捨てたたと言われました。

僕はその支店長さんに朝まで飲みにお付き合いして話を聴きました。

彼が現場でトライしてきたことは、本に書いてあることと完全に合致はしないが、大きな方向としては重なっているという結論に自ら至られました。

前職の創業者が理想論を曲げなかったのも役割。僕が泥臭い橋架けをしたのもまた役割。

こっちは、あまり得しない役割ですが、僕は結構気に入ってます。

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