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アート×ビジネスのイノベーター

イノベーションは、異なる分野や要素が交差する場所で生まれやすいもの。

例えば、アートとビジネスは一見相反する分野ですが、アートの感性とビジネスの実用性を組み合わせることで

互いの強みを活かし、創造的かつ経済的な成功を収めることができます。今回は、その身近な事例をご紹介しましょう。

僕の暮らす藤野のとなりまち旧相模湖町にアトリエヨシノというバレエ衣装のレンタル事業で国内シェア8割超え、180人の社員で10万着の衣装を扱う会社があります。

創業者で社長の吉野勝恵さんとは友人として親しくさせていただいてます。

数年前になぜそんなにうまくいっているのか知りたくてつぶさに話を聴かせてもらったことがありました。

彼女はいわゆるビジネスプランを明確に策定して計画的に実行していくタイプではなく、いわゆる直感が働いて、飛躍的な行動をする天才型の経営者です。

しかし、さまざまな事業にまつわるストーリーを聴いていくととても理に適った思考・行動が回っていることがわかってきました。

とんがり研独自の主力フレームである【らしんばん】でちょっと解説してみますね。

※【らしんばん】についての5分紹介動画はこちらです。

この事業は、勝恵さんが友人を手伝う形で、バレエ衣装をつくり始めたのがきっかけで始まりました。

ところが、友人が事情で仕事を続けられなくなったとき、バレエ教室の先生方から「やめないで」という声が殺到しました。

そこで、バレエの舞台に立つことを夢見てレッスンを続けている子どもたちにステキな衣装を届けたい想いだけでその事業を引き継ぐことにしたのです。

これが、世の中の人々の願いをこんな風に解決したいという想い、まさに“パーパス”です。

次に、せっかくやるなら、バレエの舞台をファッションショーのようにしたいと、伊勢丹の服飾デザイナーだった勝恵さんは思い立ちます。

バレエ衣装としての常識を覆す斬新なデザインは、噂に噂を呼び世の中に広がっていきました。顧客が増えてくると、それまでのような工房的作業ではとても追いつかなくなりました。

そこで量産化に踏み切るわけですが、コンセプトは「美と躍動を生み出す工場」へ。感性と経済性が両立する“戦略”の軸が定まったわけですね。

さらには、その戦略を実現する企画・制作→倉庫管理→メンテ→クリーニングという徹底して品質の高さを保証するためのしくみも出来上がりました。

これが戦略をみんなで実行するための“しくみ”の構築です。

結果として、全スタッフがそれぞれの持ち場で一丸となり全国のバレエ愛好者に、真心込めて感動をお届けする企業“文化”が形成されていきます。

オフィスに一歩足を踏み入れた途端にそのエネルギーを感じ取ることができます。

アトリエヨシノの躍進は、ここに止まってはいません。勝恵さんには、長年温めてきた夢があります。

それは、旧相模湖町を「バレエのまち」として、誇りの持てる地域づくりにつなげていくことです。

これは、神奈川県知事の目にも留まり、一企業の枠組みを超えた地域のムーブメントとして動き出しているところです。

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