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酷い出版体験の想い出(裏話)

本を出版するハードルは一般的にはとても高いと言われます。

ある調査によれば、商業出版の応募から実際に出版できる人は、1000人中3人程度と言われているそうです。

前職のスコラ・コンサルトというコンサル会社時代は、創業者と日経出版社の強い縁があったので、比較的出版する環境には恵まれていました。

が、僕の場合は、進んでいた出版企画が、社内の出版担当者とのすれ違いで白紙になったことがありまして。

こういうとき、僕はついムキになってしまう癖があります。

で、ビジネス書で比較的定評のある出版社が主催する、出版したい人のための一般公募型の企画合宿に早速、エントリー。

忘れもしない京都郊外の古い一軒家を貸し切った会場でした。

編集者はすんごい上から目線で、ほとんどの人はバッサリ企画にダメ出しされます。僕も専門の組織開発テーマの企画は完全に撃沈されました。

ところが、その目次案に20ほど並べた項目のうち、唯一「異端児は放っておくにかぎる」だけが目に留まったようで。

それだけについて書きたい気持ちはまったくありませんでしたが、意地でも企画を通したい想いから徹夜して企画書を書き換えました。

夜は、編集者たちが大酒飲んでプロレスごっこなどに興じる中で、ちょっかいなども出され、作業しながら、はらわたは煮え繰り返ってました。

驚いたことに、翌朝、その企画はなぜか奇跡的に通り、出版が決定してしまいました。

でも実はそこからが地獄の本番でした。

原稿を書いても、編集者は内容にほとんど向き合ってくれず、返事はイエスかノーかのみでした。

とにかく手探りの中、原稿を書き上げたと思ったら・・・

いつの間にか既に出版された新刊サンプルが自宅に届いてました(笑)。本のタイトル、表紙のデザインなど知らされないままでした。

『使いづらい部下を上手に使いこなす法』

えっ⁉︎

いやいや、使いづらい部下=異端児社員を思いのまま使いこなそうとしたらだめですというのが主題なんだけど。

ただ、販促用の帯だけは真実を語ってくれてました。

「周囲からはみ出しがちな“問題社員”が会社の閉塞感を打ち破る!」

いまからふりかえれば、いい思い出でもありますが、そのようにして僕の処女作は2013年3月に出版されたのです。

出版について、これもよく言われることですが、初めての著書には、その人のエッセンスや個性が強く反映されることが多いそうです。

著者が自分の考えや経験を初めて形にするプロセスで、自然とその人らしさが表れるからだそうです。

僕の場合も、そもそも1冊の本にしたいほどのテーマではありませんでしたが、やっぱり、僕の想いが滲み出ることになったなぁと感じています。

組織開発支援を長年してきた先に行き着いた世界は、一人ひとりの私らしさをすべての起点にするアプローチです。

特にそれが濃厚に出る異端児社員は僕にとって最重要人物ですから。

ちなみに2冊目の本『組織の未来をひらく創発ワークショップ』は1冊目とは打って変わり、書きたいことを、書きたいように存分に書かせていただきました。

最初とは違う出版社ですが、編集者に恵まれました。

長く仕事してると、いろいろありますね。

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