前回のBLOGでは、『ビデオOFF会議が組織にもたらす危険性~即生産性が上がるオンラインコミュニケーション~』というセミナーに、パネリストとして登壇した話をしました。
https://kanki-pub.co.jp/edu/report/?p=3830
オンライン会議がビジネスの標準的なスタイルになっている現状からその創造性を高めていかなければ、日本企業の復活はありえないと言いましたが
日頃、ビデオOFFにしている日本の組織は6割という調査もあります。
つまり、創造性があまり必要ないビデオOFFでも問題のない、情報伝達と共有だけの会議が多いのかも。
そこで、今回は、創造的オンライン会議に取り組んでいる、僕の支援している事例をお伝えしようと思います。
たくさんありますが、代表的なパターンをひとつ取り上げます。
「会議の仕立てそのものを変える」というものです。
『7つの習慣』の「第二領域」=重要度は高いが緊急度は高くない をテーマにした会議にシフトするのです。
もし「第一領域」=重要度も緊急度も高い、すぐに実行が求められること の情報共有を会議でやっているなら、
極力、TeamsやSlackなどのビジネスチャットにて、テキスト上で効率的に情報交換できるようにして時間を捻出します。
第二領域のテーマとは、未来に向けた備えになるものですから、そもそも答えなんてありません。
で、まずやるのは通常、職場では耳にしないような情報に触れること。
例えば、人・組織あるいは事業・戦略にかかわる最先端の情報を、事前学習動画として作成したり、課題図書を設け、好きなときにインプットしておいてもらいます。
その上で、オンライン会議の場に集まります。グループサイズは5、6人までが適当ですが、ブレークアウトルームでそのサイズに区切ってもOKです。
そして、インプットした情報について、印象に残ったことなどを、違和感も含めて自由に発散し合います。
このとき、冗長率(話の本題に直接関係のない情報が含まれる比率)を意図的に高めるよう促します。
こういうやりとりは、言語以外の要素も重要なので、当然ビデオONにします。
出てくる情報を、オンラインホワイトボードに付箋として貼り付けるのも効果的です。
あるいは、オンライン会議のチャット欄に、各自で記入していってもいいでしょう。
実は、普段あまり会議で発言しない人も、一定の時間を設けて、アイデアや意見をチャットに記入するようにすると、
こんなことを考えていたのかーというような斬新な内容を発信してくれることも少なくありません。
場が発散すると、情報が雑然かつ混沌としてくるのですが、もやもやを受け入れつつ、全体を眺めながら、これまでになかったような方向性を導き出すタネになり得るものを見出します。
混沌からある秩序を発見する創発の方法は改めてお伝えしますね。
みんなが納得するというよりは、誰かの目にパッと止まった意外な情報が起点になったりします。
最終的には、そのアイデアのタネを仮説として言語化して、他部署の人の反応を聞いてみたり、実地で試行検証していきます。
会議と言っても、すぐにやるべきタスクを情報共有するような場とは、まったく異なりますね。
そのような時間を少しずつでも持ってみるのはいかがでしょうか?