先日、ある人との対話が終わった後突然思い出したのが、Do the right thing! という言葉でした。
これは、もし既存のルールや手順、過去の慣習を破るものだとしても、自らの信念にもとづき正しいことを勇気をもって行うという意味です。
似た言葉としての Do thngs right が、決められたルールや慣習に沿ってものごとを正しく行うというニュアンスなのとはかなり違います。
この言葉を思い出した経緯はこんな出来事からでした。
いま僕の主要な活動拠点のひとつになっている幸せ視点の経営について学び合うコミュニティ=hintアカデミーにて
ある大手企業の人財開発の責任者をしている仲間のTさんが、実は僕の高校の後輩であることがわかりました。
Tさんは野球部出身で、今も現役で監督をされているFさんの教えが現在の仕事や人生にも間違いなく生きているとのこと。
Tさんが野球部時代のF監督のエピソードを聴きたくなってそのことだけについてお聴きするオンラインの場を設けました。
20数年前の高校野球界というのはおわかりのとおり監督を頂点とする厳格な上位下達の指導がまだ一般的でしたよね。
ところが、Fさんは最初から選手たちを大人として扱い自分自身で考えて動く運営に大胆に変革していったそうです。
また、従来当たり前とされてきた常識をいくつも変えたそうです。
たとえば、週7日のグランドでの練習から、うち1日を自分たちで課題設定して考えるミーティングの日に
うち1日を必要な筋力をつけるためのトレーニングの日に。
野球部だけにしか通用しない独自の伝統的なあいさつもやめたそうです。
過去に甲子園にも出場した経験のある伝統的な部活でしたが、意味なく続けられていた慣習や高校野球界の常識にとらわれず
選手たちとの話し合いの中で合理的な選択をしていったわけです。
結局、Tさんが現役の間に、甲子園出場は叶わなかったものの、当時低迷していたチーム力が格段に高まるのを実感したそうです。
他県の強豪校との練習試合で足元にも及ばず惨敗していたのが互角に戦えるようにもなったとか。
冒頭に上げたDo the right thingを、Fさんは、ご自身の信念や価値観にもとづいて、果敢に体現されていたわけですね!
そして、高校時代にそれを体感し自分の中にコアとして継承したTさんは、いま大きな組織の人財開発の責任者ですが
いつもブレない軸を持って、仕事しているなぁと感じます。
歴史と伝統あるその組織はかつてないレベルの変革に取り組み中ですが人財開発領域でどんな舵取りをするのか目が離せません。