先日は東京にて、大手企業の人材開発を担うリーダーたちが集まって対話する「ラーニング・ミニラボ」にファシリテーターとして参加しました。
主催しているのは日本能率協会マネジメントセンターで、テーマは、次世代経営者の育成。
大手非鉄金属メーカーから事例の発表がなされました。
毎年、役員一歩手前の層から選ばれた各部門のエース人材がチームを組んで、グループ経営の将来像を考え、真剣勝負で提言し、すべてのプロセスに社長が深く関わるそうです。
既に10数年連続で実施されており、終了した方から多くの役員が誕生しているとのこと。
形式は研修ですが、実質的には「次期経営陣オーディション」プロジェクトといった方が適切かもしれません。
この情報提供のあとは、恒例のグループ対話になりますが、論点として、次世代経営人材の選抜・育成のしくみを考える上で何を明確化、指標化することが求められるのかをご提示しました。
おもしろい対話が展開されましたが、印象的なものとしては・・・
見えない経営者要件という悩ましさがひとつ。
部長や課長レベルまでは「数字で成果を出せる」「チームをまとめられる」といった具体的な評価軸が明確になっている。
ところが経営者となると、突然「経営センス」「大局観」「決断力」あるいは「人間力」といったちょっと異次元的な要件になるので、あえて言語化すべきではないのかもという意見も出ました。
他にも、対投資効果ジレンマというのもありました。
手塩にかけて育てた幹部候補が他社に行ってしまうことも十分ありえること。かと思えば、役員はほぼ外部からプロ経営者を招聘という会社も。
日本の大手企業も内部昇格パターンだけではない各社各様の状況があるということを改めて認識した次第です。
このラボは2022年にスタートして昨日で11回目でしたが、参加者のみなさんの興味あるテーマは明確な答えの存在しないものばかりです。
だからこそ、業界や会社の枠組みを超えて、真剣に考え続けることに価値があるのかもしれません。