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「議る+論う」という古い言葉でちょっと遊んでみる。

僕は最近、「議論」という言葉に、ちょっと居心地の悪さを感じることがあります。

ビジネスの場では、議論といえば「ディスカッション」、つまり意見を整理しながら結論へ近づいていく、そんな進め方を指すことが多いように思います。

でも、ほんとうにそれだけだったのかな、と。

いにしえの言葉にちょっと寄り道してみると、「議論」は「議(はか)る」と「論(あげつら)う」という二つの動きに分かれていたようです。

「議(はか)る」は、状況を測ったり、感じていることを持ち寄ったりする、どちらかといえば“ふんわりした時間”。

「論(あげつら)う」は、そこから浮かび上がった考えを、筋道を立てて確かめていく動き。

これは、あくまで僕の推論で少し遊んでみた解釈ですが。

ただ、そう読んでみると、このふたつの流れは「ダイアログ(対話)」と響き合うように感じてしまうのです。


まずは見え方や違和感を安心して出し合い(=議る)、そこから立ち上がった意味を一緒に確かめる(=論う)。

当時そんな意図があったかわかりませんが、どこか似ている気がします。

それに比べると、現代の「議論」はディスカッション寄りに固定されている印象があります。

ディスカッションは「細かくバラバラに切り刻む」という語源があると言われていますが、最初からこのモードで走ると、状況を測る(=議る)時間がすっ飛んでしまい、

結果として“深いところに届かない議論”になってしまうことが多いように思います。

そこで、いまの会議に「議る」と「論う」の視点を持ち込んでみるのはどうでしょう?

これだけでも、話の流れはずいぶん変わるのでは。

「いまはまだ議る時間かな」
「そろそろ論う段階に移ってもよさそう」

そんなふうに、場のリズムを微調整してみる感じです。

ここで言っていることは、繰り返しになりますが、僕自身がふと感じた言葉遊びです。

でも、その小さな遊びが、議論という言葉のイメージをほんの少し柔らかくし、創造性の入り口をひらく手がかりになるかも——そんな気がしています。

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