あけまして、おめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
元博報堂のマーケターで、現在は「戦略創発ファシリテーター」の伊賀聡さんたちと組んで、
「戦略創発」という考え方と実践を、今年からムーブメントとして世の中に広げていくことに注力したいと思います。
どこかで計画していたわけでも、最初から組もうと決めていたわけでもありません。あとから振り返ると、そうなるしかなかった」という類の共創です。
少し個人的な話から始めます。
3冊目の本『クリエイティブファシリテーション』を昨年11月末に出版しました。
もともとは、日本能率協会マネジメントセンターから「いまの時代に合ったファシリテーションのメソッドを、構造化したい」という相談を受けたのがきっかけでした。
僕自身、20年以上、組織開発の現場に関わるなかで、ずっと引っかかってきたことがあります。
人と人の関係性は丁寧に扱うのに、本業である事業や戦略には踏み込まない組織開発。
企業人事にとっても、ベンダーにとっても、安全で安心なやり方。でも、本業へのインパクトは薄い。
日本企業に共通する最大の欠陥は、本当の意味での「戦略」が不在なことだと、僕は経験的に認識しています。
戦略がないまま、関係性ばかりいくら整えても、組織の思考も行動も変わりません。だからこそ、戦略づくりを軸に、人と組織の思考様式・行動様式を一新することが、効果的なのです。
執筆作業もだいぶ進んだ頃、本のタイトル決めの必要があり、世の中の会議本を調べていました。その中で、1冊だけ強烈に引き寄せられた本がありました。
伊賀さんの本『組織をゾーンに入れる会議の魔法』です。
読んだ瞬間、「切り口や言葉は違うけれど、やってきたことの本質はまるで同じだ」と、はっきりわかりました。
伊賀さんの「戦略創発」は、戦略を外から与えることをしません。
数値やKPIや施策の前に、企業や社員が持つ力、内に秘める力や知恵―そうしたものが、どんな「動因」として人や事業を動かしているのかを、丁寧に掘り起こしていく。
戦略とは、最適解を当てにいくものではなく、文脈の中から立ち上がるものだ、という立場です。
一方で僕は、事業や戦略に踏み込む組織開発をやってきました。
伊賀さんは、チームみんなで戦略を創る支援者。この二つは、面白いことに入り口と出口が入れ替わった構造になっています。
僕が「どう生み出すか」というプロセスを担い、伊賀さんが「何を生み出すか」という戦略の中身を照らす。
僕が大切にしているのは、川喜田二郎さんの言う「ひと仕事」をともにした仲間の関係性です。
価値創造という困難なプロセスを、チームでやり切る。その経験があって初めて、関係性は本物になる。
ワークショップの中だけで完結する関係性には、あまり意味がないと思っています。戦略創発とは、戦略をきれいに言語化することではありません。
戦略を軸に、チームの思考が変わり、行動が変わり、結果として組織が変わっていく。そのプロセスそのものです。
いざ、戦略創発。伊賀さん、そして同じ想いを持つ仲間たちと、この流れを育てていけることを、心から楽しみにしています。
