12月16日に「人間に戻ろう。人間らしさを取り戻そう!」~自然と地域とつながる暮らし方から、人と組織の生き方を見出す~というテーマのウェビナーが
ジェイフィール社主催で行われ、ゲストスピーカーとして、主に地域コミュニティとつながる視点からお話しました。
コロナ禍をきっかけに、都市から地域コミュニティへ移住する人が増えているようですが、
さまざまな理由はあれ、大きくまとめると、まさに人間らしい暮らしを求めてというニーズが背景にあるのではないかと、自分の身の回りの人たちの話を聴いていても感じます。
僕の場合は、ひょんなきっかけから藤野(神奈川県最北端の相模湖畔のちいさなまち)へ移住してまる9年になりますが、住めば住むほどそのよさを実感しています。
感覚としては「生活」から「暮らし」へのシフトができてきているということでしょうか。
実は、生活も暮らしも、英語で言えばLIFEという言葉になるはずですが、
LIFEに対応する日本語には豊かな使い分けがされていて、「生活」→「人生」→「いのち」というような奥行きを持っています。
僕の暮らしへのシフト感覚というのも、より人生やいのちの方向へという意味合いに近い。
豊かな地域コミュニティとのかかわりによって本源的な方へ向かわせてもらっているのです。
たとえば「経済」ひとつ取っても、移住前は経済=貨幣経済(かせぎ)でした。ところが、地域コミュニティにおける経済はもうふたつ要素があるのです。
ひとつは、自給経済(くらし)で、どれくらい暮らしが自分の手の中に収まっているか
自分で畑で農作物をつくってみたり、太陽光パネルを組み立て電気も一部自給したり。
もうひとつが、贈与経済(つとめ)で、ひとりではできないことをお互い様の関係の中で、協働してやっていくこと。
お互いの得意なことを活かして、私はヨガを教えるので、あなたには英語を教えてほしいとか。
あるいは、大雪が降ったときに、行政では対応できないところをみんなで雪かきしたり。
そうやって考えると、貨幣経済下では、ほしいものをお金によって手に入れる消費行動が自分自身でほしいものをつくったり、
顔の見える関係性の中、交換で手に入れたりというように、より生きることそのものに主体的にかかわる行動に変わっていくことができます。
もちろん、地域コミュニティがすべてよしではなくて、自給経済や贈与経済は豊かな一方で、貨幣経済圏としては脆弱な環境で
資本主義の中で、それだけで暮らしを営んでいくことはなかなか難しかったりもします。
ただ、それでも間違いなく言えることは、かつての僕のように、経済と言えば貨幣経済のことしか知らなかった人間が、
自給経済や贈与経済の存在や可能性に気づくことで、経済活動そのものの見方を再構築でき、それが一人ひとりのリアルな幸せにつながっていくということです。
今回は、経済を切り口に、地域コミュニティにかかわって、人間らしさを取り戻すとはどういうことなのかを考えてみましたが、
他にも政治、教育、福祉などなどの分野でも同様のことは成り立つのではないでしょうか。
みなさんにとって、人間らしく在るとはどういうことでしょうか?
そのためにはどんなことをやってみると有効でしょうか?
とんがりチーム®︎研究所は、2022/12/18にておかげさまで創業5周年を迎えました。ここまで支えていただいているみなさまに心から感謝申し上げます。
これからも「ひとり起業家」として、オンリー&ナンバー1路線を目指していきますので、何か気になることなどあればいつでもお声がけいただけるとうれしいです。