「スコラさんは、要するに組織の”ドブ掃除”屋さんということですね」
もう随分前のことになりますが、ある外資系のコンサルティングファームの経営者からそう言われました。
僕がこれまで聞いた評価の中で最高峰の褒め言葉だとマジで思ってます。
戦略論的に言えば、【模倣困難性】の極致。つまり、一見すると非合理的で他はマネしようとしないが、戦略全体の文脈では筋のよいストーリーだなぁと。
僕は、2006年にアメリカ企業の人事マネジャーから、組織風土改革コンサルティングの老舗・スコラのプロセスデザイナーに転身しました。41歳のときでした。
収入は半分以下になりましたが、学びながらお金をいただけるなんて最高じゃないかと思ってました。
それから、2018年8月まで12年間お世話になった後に独立していまに至ります。
さて、そのスコラにおいて一番の学びだったのは・・・
組織の中にある、誰も手をつけようとしないようなめんどくさい葛藤や衝突の中に、毎日のように「丸腰」で入っていく仕事。
特に、組織階層(つまり上下)間や、部門・部署間の関係性などで、溜まりに溜まったしがらみやしこり、あるいは諦めや絶望の淵に、「対話」という目に見えない道具だけを使って、飛び込んでいくわけです。
15年ほど前は、組織風土改革とかオープンな対話とか言っても、市民権はまだありませんでした。
「スコラ、何するものぞ」と身構えられ、居ても立っても居られない凍りつくような現場の連続。
「朝まで飲みにつきあったら、少し本音を話してやってもいい」とある支店長さんに言われ、「のぞむところです!」とほんとに朝まで苦労話につきあったり。
男性の課長10人の中に抜擢されて改革を志す女性の若手課長が入ったが、分厚い抵抗の壁に阻まれどうにもならないジレンマを、ある合宿の場で、阿鼻叫喚の叫びとともに夜を徹して聴いたり。
他のコンサル会社では、絶対に体験することのできないことに、真正面から向き合うことができました。でも、楽しかったんですよ、実は。
そのおかげで、どんなに荒れる場、重苦しい場、不満渦巻く場・・・などの修羅場でも、たいがいのところにはビビらずに入っていける肚が鍛えられました。
感謝してもしきれません。
この基礎の上に、自分なりの独自性を加えた組織開発のスタイルを磨いているところです。独立して3年経ち、かなりそれがはっきりしてきたと感じています。