HOME > BLOG > 組織開発の現場より > 米国企業時代の非・戦略的な失敗談

米国企業時代の非・戦略的な失敗談

僕の専門は、人・組織なんですが、この10年ほど受けてきた仕事で一番多いのが「戦略」づくりなんです。

もちろん、チームでつくる戦略です。

「戦略の基本は、最も効果の上がりそうなところに最強の武器を投じること」
と、戦略論の世界的な大家であるリチャード・ルメルトは言ってます。

しかし、日本の組織やチームは、概して、戦略づくりが下手です。

その一番の原因は、捨てられないこと。

僕自身のおもしろい体験談を白状しましょう。35歳のときに、僕は12年半働いた日本企業から米国企業に移籍しました。

報告書とか提案書を作成することが得意だと自認していたので、転職早々に上司にデキる人間であるとアピールするために(笑)

あるボリュームのあるレポートをまとめ、意気揚々と提出しました。そしたら上司の女性マネジャーからこう言われたんです。

「あなたの文書は、”論文”みたいね」

お恥ずかしいことに、僕は「やったー、褒められた!!」と勘違いしてしまったのです。

要は、余計なことがたくさん書いてあって何が言いたいのかわからないというフィードバックだったわけです。

(あっ、本来、「論文」もそれではもちろんダメなわけですが・・・)

アメリカンなマネジメントは、目に見えにくいものを曖昧なものとして取り上げにくいことに、いまは違和感もありますが、

大事なことだけに絞り込んでその実現を徹底して目指すことを、その後は鍛えられ、効果を実感することになりました。

あのときの上司と同じような感覚で、僕はいまクライアントの組織やチームの戦略を見ています。

この期間中に、どう考えても実現することが無理なアクションプランの数々がずらっと並んでいることも多いですね。

そして、やはり実現することができないまま、次の期間に先送りようなことを延々と繰り返していることもあります。

危険だなと思うのは、そういうことが習慣化してしまうと大事な軸が何であるかを認識する力とか優先順位をつけて、大事なことから実践する力がリーダーやチームの中から消滅してしまうことです。

すると、当然のことながら、メンバーも軸が見えないままチームとして力を集中することができず、ばらばらに動くことに。

そうなってしまう前に、戦略的に一歩踏み出してみましょー!!

ご存知の方も多いと思いますが、アマゾンの創始者ジェフ・ベゾスは、その事業構想を、レストランの紙ナプキン一枚に描いたとされてます。

そのシンプルな戦略ストーリーこそが他社との圧倒的違いを生み出しました。

戦略の凄み、醍醐味ですね。

シェアお願いします!
TOP