HOME > BLOG > 組織開発の現場より > 離職率の上昇はよくないことなのか

離職率の上昇はよくないことなのか

最近、お付き合いのある日本企業で離職率が上昇しているという悩みをお聞きすることが増えました。

僕自身は、離職率が高いのは一概に悪いとは考えてません。

こんな体験があるからです。

かつて勤務した日本の大手企業は離職率が1%を切ってました。

いい会社だからなぁと思ってました。

その後、アメリカ企業に移籍して、ものすごい事実に遭遇します。

離職率が25%でした。4年で全社員が入れ替わるという計算になりますね。衝撃的でした。

離職率25%の内訳はざっくりとこんな感じ。

業績がボトム10%は自動的に辞めてもらう。残りの15%は、より高い役割や収入を得るために自ら辞めていくのです。

下位層に辞めてもらうなんて、人材の使い捨てだと震えました。

ところが、実情を知るとそうでもないのです。

その人たちには手厚い「パッケージ」と呼ばれる退職勧奨のいわば手切金や猶予期間が示されます。

その方々は、会社から通告されたときはもちろんショックを受けるわけですが、外資系企業の場合、流動的な人材マーケットが確立されているので、

次の勤務先に割合スムーズに移籍して、活躍しているケースも結構ありました。

このからくりを知ったとき「あれっ、日本企業は人にやさしい」と思っていたけど、その会社に塩漬けにされて、くすぶっているのとどっちが本人にとって、会社にとってハッピーなんだろうと。

それ以来、離職率の高い/低いの数字だけで良い/悪いを判断することはやめました。

さてさて、では最近増えているという日本企業の離職率はどうなんでしょう?

いくつかお話をお聞きしていると、こんなに外部環境が変化しているのに、会社の上層部は、ほんとの意味で危機感を持っておらず「これまで通り」を続けている。

そして、社員も何かを感じているのに、それは見ないふりして粛々と仕事をこなしてる。

いわば「共依存」状態。

おかしいと感じながらも、お互いの馴れ合い関係に安住しきっている。

外部環境などにアンテナを張っている感度の高い人ほど「ここにいたら、船は沈むぞ」と感じてさっさと逃げ出すという構造ではないかと。

外から見ると、人もうらやむような一流企業でも同様の現象が起きてるとも聞きます。

もし同様のことを感じている場合、あなたはどう考え、動きますか?

シェアお願いします!
TOP