米国最大の調査会社ギャラップ社が、2017年に全世界1300万人のビジネスパーソンを調査した結果では、
日本企業は「熱意あふれる社員」の割合が6%で、調査した139カ国中132位と最下位レベルでした。
さらに言うと、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」が24%、「やる気のない社員」はなんと70%に達している
という話は多くの方がお聞きになったことのある情報でしょう。
それで、「日本の社員はなぜやる気がないのか?」のような記事をよく見かけたりするわけですが、みなさんの実感はいかがですか?
僕はこの調査結果はあやしいなんていうつもりは、もちろんありません(笑)。
事実は事実ですから。
ただ、やる気のある人はもっといるよなという感覚は、一方であるんです。
このギャラップ社の調査項目は12のシンプルな質問で成り立っています。さすが、とてもわかりやすいんです。
例えば・・・
Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった
質問を見ていくと、たしかに、日本企業の場合、低いだろうなーと想像できます。
でも、だから「やる気がない」と言えるのだろうか?というモヤモヤ感は依然、残ります。
そんな折、ヒントになるかもしれないことに遭遇しました。
僕の友人に、大手企業に勤務しながら地域活性化に副業でかかわり始めた人がいます。
彼がこんなことを言いました。
「自分はやっぱり副業よりも本業の方を大事に思っている。が、大事に思ってるからこそ失敗できないと感じてしまい結果として一歩踏み出せない」
「それに比べ、副業の方は、まぁ失敗してもなんとかなると思って、気軽に面白そうなことや新しいことにチャレンジできる。結果として成果もあがる!」
目から鱗でした。
これって、本人のやる気そのものというより、働く環境の問題ですよね。
あくまでもたったひとつの事例なのですが、こういうパターンは少なくないかもと僕の直感が囁いてます(笑)。
企業現場での観察をこんな視点からも広げていこうと思います。
やる気のない人にやる気になってもらうなんてことは無理だと僕は思ってますが、やる気があるのに、やれてない人がスイッチを入れるなら可能性は十分にありそうです。
つまり、組織や上司の方で、社員が失敗するリスクもある程度許容して、もう少し自由に、内発的な動機から動ける環境を整えたら、
「日本人やる気ない論」の流れを変えられるのではないか。ギャラップ社の調査結果も変わってくるかもしれません。
このようなテーマはまさに組織開発の領域です。顔晴らなくては!!