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自走するチームをつくる「7つの問い」(その2)

前回より、自走するチームをつくるのに役に立つ「7つの問い」をご提示していますが、今回はその後編です。

では、問い5から続けていきますね!

5.メンバーの挑戦を奨励し、たとえ失敗しても寛容に受け容れ、失敗から学ばせようとしていますか?

→ここからは、リーダーが提示する方向性や戦略にメンバーたちをどう巻き込んでいくかというフェーズです。

戦略にもとづき施策までをリーダーが考えて、その通りにやらせるのが「統制するチーム」であるのに対し、

「自走するチーム」ではメンバーが自分で戦略を咀嚼して、自分なりにどう動くかを考えるのを大事にします。

そのようなことに慣れていない人の場合、大概はまず失敗するでしょう。その失敗をどこまで許容できるのかというリーダーのマインドが問われます。

失敗は当然チームのパフォーマンスには影響を及ぼしますが、だからと言って、すぐにリーダーが手を出してしまったら、メンバーとしては失敗したという事柄だけが残ってしまいます。

どうせリーダーがやってくれるのだからと、自分から挑戦することはせずに指示待ちになっていくのがオチですね。

6.何か問題が起きたとき、まず現場に出向いて徹底的な観察や対話を行なっていますか?

→メンバーがせっかく挑戦したが、うまくいかずに何かやらかした、あるいは、予期せぬトラブルが起きてしまったとき、どうするか?

問い5はリーダーとしてのマインドを明らかにしてますが、ここでは、対処のしかたを問うています。

問題が発生したときに、時間を置いてしまうと学びの鮮度が落ちてしまいます。できれば、すぐに現場に駆け付けます。

これは物理的なことを言ってるだけでなく、オンラインの場合でも、問題の当事者と向き合うことはできますね。

もちろん、顧客にご迷惑をおかけするような場合には、至急手を打つことが必要ですが、一方で、その問題はどんな状況で起きたのか?

その真因は何なのか?どうすれば防げたのか?などについて、問いかけをうまく使いながら一緒に明らかにしていきます。失敗や問題を財産に変えていくのです。

7.メンバーにとってチームは安心して居ることができ、かつ、新たな価値を生み出せる場ですか?

→さて、いよいよ最後の問いです。問い7は、他の問いとは位置付けがちょっと異なります。

問い1〜6までのYESを増やしていく行動をしていくと、その結果として、問い7もYESと答えられるようになるのです。

この状態こそが「メンバーが自ら考え、周囲と協働して新しい価値を創るチーム」つまり、自走するチームということになります。

いかがでしょうか?

これら7つの問いは、野中郁次郎さんと紺野登さん著『美徳の経営』をもとにしています。

企業が利益追求だけでなく、社会的責任や公共の利益を考慮し、社会全体のために貢献することが重要だという主張がこめられた本であり、

その中にある「共通善」(=全体の利益や幸福に繋がるような善)の問いを参考に組み上げました。

最後にこの7つの問いが全体としてどんな意味を持つのかをご説明します。

僕が組織開発のコンサルティング現場で多用している4象限の【らしんばん】をすべてカバーするようにできています。

らしんばんについて5分で動画解説したものは以下になります。

簡単に言えば、左上の象限から「このチームの存在意義や目的は何なのか?」

→問い1と2

右上「それを実現するための戦略は明確にあるか」

→問い3と4

右下「その戦略を実行するためメンバーを巻き込めているか」

→問い5と6

左下「ここまでの結果としてチームの文化が定着しているか」

→問い7

ぜひ、7つの問いをご活用いただければと思います!!

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