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黙ることのインセンティブ〜「言ったもん負け」文化を変える方法

自走するチームを実現するための最大の障害はなんだと思いますか?

僕は「黙ることのインセンティブ」が効いていることだと思います。

インセンティブとは、人の行動を促進するために与えられる刺激や報酬のことを言います。

つまり、誰かが組織の問題を認識したにもかかわらず、それを発言することよりも黙っておく方が得になると感じる方向性が促進されるということですね。

ある営業組織で、こんなことがありました。

お客様の課題をあらかじめ特定し、その解決を効率的に提供する商品が、かつては手離れよく売れていたが、

お客様の課題が複雑化、多様化する中でなかなか従来のスタイルでは売れなくなってきた。

そこで、お客様の悩みに寄り添って、一緒に課題を明らかにし、その解決も考えていくような営業スタイルへの転換を、

自ら手を上げた若手社員がプロジェクトとしてリードしていました。

しかし、突然、上の指示によって、営業の転換よりも、いまは従来の営業スタイルによって、短期間に数字をつくることが求められたのです。

そのような判断が経営的に必要なときもあるでしょう。問題は、その判断自体ではありません。

その若手社員が、いろいろと思うところがあるはずなのに黙っていたことにあります。

なぜ黙ったのでしょう?

問題意識を表明することは自分にとって損にしかならないと思わせる環境があったからです。

どんなに正当な理由があったとしても、上からの指示に批判的な意見は許さないという暗黙のメッセージが職場の中にあったのでしょう。

チームメンバーが問題に感じたことに黙ってしまうと、一方的な意見やアイデアが採用されてしまいがちで、問題解決や意思決定の質が低下することにつながります。

気をつけなければならないのは、そのようなサイクルはかなり意図的に止めないと、どんどん強化されてしまうことです。

いわゆる「言ったもん負け」の文化が岩盤のようにつくられる

自走するチームをつくるための第一歩は自分の意見を表明することが、たとえ批判的な意見であっても歓迎、尊重される雰囲気を作り出すことにあります。

もちろん、相手の立場の尊重やマナーは必須ですが。

そのような雰囲気づくりをリーダーから始めましょう!

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