半年ほど前から大手研修会社の依頼を受けて、“ファシリテーション2.0”を創るプロジェクトを、先方の若手メンバーによるチームと一緒に進めています。
なぜ2.0が必要なのか?
昨今の簡単に解決できない複雑な問題に立ち向かっていくには、従来のファシリテーションのやり方を超えて、新しい発見に繋がるような場の創造性を高める方法論が必要です。
これまでのファシリテーションの定番の流れは・・・
1.場のデザイン
2.対人関係
3.構造化
4.合意形成
これはまさにそのとおりなんですが、話しやすい場をつくって、発散的に意見を引き出し、それを整理して、結論に収束させても、常識的な面白みのないものしか出てこない経験をしていませんか?
創造的なアウトプットを導くためには、複雑な問題をありのままに捉え、混沌の出現をもたらし、そこをくぐり抜けるようなデザインが不可欠と考えます。
僭越ながら、僕はこの約20年間そんな世界を実現するために、クライアントとともに格闘してきた自負があります。
ただ、そのプロセスを支援する方法論を共有できる自信がありませんでした。
しかし、現状に大きな問題意識を持ったリーダーの想いに絆され、半年間、真剣勝負で彼らと試行錯誤してきた結果、どうやら灯りが見えてくるところまで来ています。
詳細は改めてお伝えしたいと思いますが、今回はその構造をタイトルとして見てください。
1.いまここへの没入 〜未知の演出といざない〜
2.他者との出会い 〜意見の深掘りと違いの俯瞰〜
3.衝突と葛藤 〜場の揺さぶり〜
4.第三の道へ 〜文脈の発見とコンセンサス
なんとなく従来のファシリテーションとの違いを感じていただけたらうれしいです。
さて、ここからが本題です(引っ張ってしまい、ゴメンナサイ)!
このようなプロセスをどのように伝えるか思案して「パターンランゲージ」の形式にすることにしました。
これは、あるテーマについて、よい実践のコツを言語化したもの。
上記4つの局面ごとに×7つずつ言語化して、合計28のコツにまとめました。
でも、これらをファシリテーター養成講座の場で説明して、じゃあ、あるテーマについて実践してもらおうとしても、ちょっとむずかしいことがわかりました。
そこで研修会社の知見・経験を活かし「ロールプレイ」でやってみることにしました。
ただし、一つひとつのシーンを切り取ってロープレしても、流れの中でファシリテートしないと意味がありません。
そこで考案したのが「シークエンス」(一連の流れ、並び)として設定するロープレでした。
作り込みすぎない&迷子にさせない設定は、さすが研修でロープレに熟達している彼らならではのものに。
先日、その実践体験会をやってみたのですが、とてもいい感じでした。
僕はその場面を眺めていたのですが、原作者が演出家の手になる舞台を客席から鑑賞するような感覚でした。
正直、むっちゃ感動しました。僕にはできないことを、彼らがどんどんカタチにしてきれたのですから。
終わった後に、このようにお伝えしました。
「僕が前職で所属した組織開発の老舗コンサル会社は研修なんて意味がないというスタンスで起業された経緯もあって僕もずっとそう思い込んでいました。
しかし、こうやって研修のプロと組織開発のプロが手を組んで、それぞれの知見を掛け合わせることで、これまでになかった価値を世の中に生み出せるかもしれないことを実感しました」と。
人財開発=研修プログラムと組織開発=成長プロセスによる相乗効果で、クリエイティブファシリテーションを実現する方法論がもうすぐ誕生しそうです。
ご期待ください!!