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なぜコミュニティを重視する企業がアルムナイを活用しないのか

今日はちょっと言いにくい話をしたいと思います。多くの日本企業にも参考になることを願って。

先日、久しぶりに元職の会社を訪問する機会がありました。多くのアルムナイ(卒業生、つまり退職者)とも再会し、話が弾みました。

実は、以前よりこの会社には、アルムナイの戦略的な活用を働きかけていました。この日もそれを持ち出したのですが芳しい反応はありませんでした。

「関係性の質」を高めることを何よりも訴求している会社なのに・・・

アルムナイとの関係構築は、いまとても注目されています。

企業側の代表的なメリットを3つほど挙げますね。

1.企業文化のよき理解者、応援団

アルムナイは会社のよさを外部に伝える役割を果たし中長期的に会社のファンづくりやブランディングに貢献します。

もちろん、いい辞め方をしているのが前提ですが。

2.ビジネスチャンスの広がり

アルムナイは、パートナーや顧客になる可能性もあり、信頼関係をもとに新しいビジネスが生まれやすくなります。

3.安定感ある再雇用

アルムナイが新たな経験や視点を持って戻ってくることで会社の文化を理解しつつ、前例のない風を吹き込んでくれます。

このようなメリットを生かしていることで知られるのがマッキンゼーやリクルートのような「仕事師集団」のような会社なんですね。

僕は以前からそれが不思議でした。

なぜ関係性やコミュニティを重視する会社ではあまり聞かないのだろう?

その理由は以下のようなことではないかといまは考えています。

ひとつは、コミュニティの線引きの狭さ

コミュニティとは現役社員のみで形成されると捉え退職者は「外部者」になってしまうといういわゆるムラ思考ですね。

もうひとつは、「ひと仕事」をやってのけた仲間であるかどうか?

ひと仕事とは、KJ法の川喜田二郎さんがよく使った言葉で、ひとつの問題をはじめから終わりまで解決し達成することです。

それをともに経験することで本当の仲間になるのだと。

アルムナイ活用の先進企業はどうもそれが求心力になっているのではないか。

さらに考察を進めます。

「関係性の質」を向上させることは、ひと仕事に取りかかる上で不可欠な入り口です。

が、それで終わることなく「創造性の質」を向上させる体験こそもっと、もっと日本企業には必要なのではないでしょうか。

僕自身もそんな経験をクライアントと共創することを目指しています。

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