このたびファシリテーション界のビッグネーム3名の論と並ばせていただき、僕の提唱する「クリエイティブファシリテーション」が、人材開発専門誌”LearningDesign”誌の特集に掲載されました。
光栄なことです。
※本誌は、冊子もweb版も会員企業限定になっており、共有できないのが残念ですが・・・
この特集を読んで感じたのは、どうやら私たちは従来のファシリテーション(いわば1.0)から新しい時代に対応したアプローチ(2.0)へと進化する過渡期にいるのではないかということです。
ファシリテーション界の重鎮・堀公俊さんは「集団による知的相互作用を促進する働き」という原点から、4つの応用領域(人間系・組織系・複合系・社会系)への展開を明快に整理されています。
この体系化によって、ファシリテーションの基本形が確立され、今日の発展の土台が築かれていると言えるように思います。
「問いのデザイン」で知られる安斎勇樹さんは、「正解のない時代の問い」に着目されており、課題設定そのものを問い直す視点は、複雑化する社会へのファシリテーションの対応を示唆していると思います。
問題を正しく把握し、効果的な課題設定に導く5ステップは秀逸ですね。
システム思考で知られる小田理一郎さんの「変容型ファシリテーション」は、全体と個の両立を図るという一貫したスタンスから
全体重視の垂直型と個重視の水平型という2つのモードの使い分けが素晴らしいなと思います。
2つのモードの行き来を通じてよりたしかなバランスが育ってくるということなのですね。
僕のクリエイティブファシリテーションは、比較的安斎さんの考え方に近い気がしますが、安斎さんが問題を正確に言語化することを大切にされるのに対し
僕は”わからなさ”や混沌をむしろ積極的に活用する方向性を模索していると言えるでしょうか。
私たち4人の視点にある共通点は従来のファシリテーションでは対応しきれない複雑な問題に、いかに向き合うかという問いかけではないでしょうか。
これがファシリテーション2.0への流れだと僕は捉えています。
堀さんの基盤構築と応用展開、安斎さんの問いの設計、小田さんの変容的対話、そして、僕の”わからなさ”を活かした創発。
これらが響き合うことで、VUCA時代に必要なファシリテーションの姿が見えてくるのではないでしょうか。