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日本人は本当に正解のないテーマが苦手?

8月初旬より、ある大手企業の部長、課長全員=約1000人に対して部下のキャリアをサポートする傾聴を軸にした研修がスタートしました。

今月中に全部で10回実施しますが、企画・開発から実施までひとりで担わせていただいています。

今回の直接的なテーマは「キャリア」なのですが、実は裏側にもう少し大きな狙いがあります。

「正解のないテーマに対してマネジメントすることを一緒に考え、学び合う」

この会社の他の研修プログラムは、最新の知見やスキル、つまり答えを講師が教えるタイプが多いということなので、学ぶスタンスを転換していただくことが不可欠ですね。

で、研修のオープニングに、ある問いを置いてみました。

部下とのキャリア面談時に「キャリアオーナーシップって、自分の異動希望を主体的に上司に伝えることですよね?」

と上司であるあなたは聞かれました。さて、これにどう答えますか?

オンライン研修なので、チャット機能を使って3分間で書いてもらいます。

「そうですね、確かにそれも大切な要素の一つですね」

「異動希望を出すことがキャリアオーナーシップではありません」

「なぜそう思うのですか?」

などなど。1回に100人ほどの参加者があるので、多種多様な対応法がずらっと並ぶ様は壮観です。

回答例をざっと紹介した後、「実は、ここに正解や間違いはありません!」とお伝えし、本題に入っていく流れです。

「正解はない」と告げられることで、「答えは一つではない」「一緒に考える姿勢でよい」ということを体験的に理解していただくことを狙っています。

まさに研修の核心テーマである上司が「答えを与えなければ」という思い込みからの解放にもなるように。

本題では、ロールプレイやケーススタディを多用して、みなさんが少人数のグループで主体的に参加いただける仕立てにしましたが、

現場体験にもとづく斬新なアイデアなどが、思っていた以上に出ていました。

そして、イキイキと対話されているのが何より印象的でした。

日本人ビジネスパーソンは、学校時代から正解を当てにいくよう教育されているので、答えのないテーマについて考えるのが苦手だと言われています。

たしかにその要素はあるのだろうと思いますが、今回の研修のように正解はないという前提を合わせて始めると、結構いけるじゃんという実感を持ちました。

こういう場をきっかけに、各職場での実践を積み重ねていくと、それは組織知として蓄積され、さらには組織文化になっていくはずです。

それは紛れも無い競争優位の源泉にもなるでしょう。壮大なチャレンジが始まりました!

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