HOME > BLOG > クリエイティブなチーム開発 > やってみてわかった「傾聴」の本質

やってみてわかった「傾聴」の本質

8月初めからスタートしたある大手企業の部長、課長全員=約1000人に対して、部下のキャリアをサポートする傾聴を軸にした研修の運営を、全10回実施しました。

このプログラムの一番の肝の部分は、上司が部下のキャリアについての想いや考え方を引き出す傾聴のロールプレイとふりかえりのところです。

傾聴といえば、生みの親の心理学者カール・ロジャーズが1950年代に、その基礎となる三つの条件として

「自己一致」「無条件の受容」「共感的理解」を挙げており、それが現代まで引き継がれているのはやはり普遍性があるのでしょう。

僕は、これを現代風に、そして上司と部下版に少しだけ翻訳して

原則1.ありのままの自分で向き合う

原則2.部下をジャッジせず受け止める

原則3.部下の気持ちに寄り添う

としました。

すごく基本的でシンプルだけど、実践するのはむっちゃ難しいですよね。

で、この原則とともに、実践のヒントなどもご提示した上で「これまでで最も誇りに思える成果は?」「何を大切に仕事しているか?」といった問いについてロールプレイングしていただきました。

オンライン形式なので、僕はブレークアウトルームをたくさん見て回るのですが

ルームによっては「部下(役)の仕事状況がわからないので、何を聞いていいかわからないよね」などと言って参加者同士で納得し合っているところもありました。

これって一見なるほどとも思えるのですが、部下の状況がわからないからこそ先入観なく相手の話を聴けるチャンスではないかと思うのですが。

やはり、無意識のうちに上司として答えを与えるためには必要な情報を取得せねば・・・というモードになっているのかもしれませんね。

一方では、傾聴の3つの原則を意識するがゆえに、ちょっとぎこちないやりとりになっているところも。

傾聴はどっかに行ってしまって、スルスルやりとりしているのと比べると、こっちの方がずっと本質に近づくアプローチだなと思いました。

表現上は傾聴スキルのトレーニングと言ったりしてますが、実際にやってみてわかったのは、傾聴というのは、スキルの前にとことん、マインドセットが問われるテーマだということでした。

研修終了後のアンケートでは、同様の気づきを書いている方も少なくなくこの研修の意味合いを改めて実感しています。

シェアお願いします!
TOP