先日、おかげさまで、大手企業の部課長千人対象にした部下のキャリアマネジメント研修、終了しました。
研修の最後に参加者一人ひとりから「実践コミットメント宣言」をしていただきました。
研修でよくある、学んだことを明日からどう活かしていくかをアクションプランにして発表するものとは、ちょっと違うものです。
「今日、学んだこと全部やろうとしないでください!」「自分自身がやりたいと思えたことをひとつだけ書き記してください」とお伝えして、Willを表明してもらいました。それぞれの想いを込めて・・・
傾向として一番多かったのは何だと思いますか?
「上司が答えを与えなければ」という従来の思い込みからの解放でした。
一番伝えたかったエッセンスなので、手応えを感じました。
もちろん、部下から正解を求められたときに示さないと無能だと思われるというような不安の声も挙がりました。
正解のないテーマについて、部下と一緒に考えていくマネジメントへの過渡期において、期待と不安が入り混じる状態なのでしょう。
環境ジャーナリストの枝廣淳子さんの『答えを急がない勇気』では「何かを“しないでおく”能力」の大事さが強調されています。
簡単に「反応しない」「判断しない」「結論を出さない」「切り捨てない」ということは、その場ですぐに決めて、行動するよりも難しいことも多いと言います。
キャリアのテーマに限らず、正解のないテーマについて、研修という場で学び合うのは、この会社では初めてのことでした。
まさに一歩めの踏み出しに立ち会えたことは喜びでしたし、それでよかったんだと実感いただけるような継続的支援をしていこうと思います。
追伸:今回のお話は、以前お届けした“わからなさ”をデザインするための理論・ネガティブケイパビリティの実践編でした。