僕は会議やワークショップのアイスブレークに迷ったとき、KATARUTAというツールをよく使います。
KATARUTAとは、接続詞や副詞が書かれたカードを使って、物語を紡いでいくコミュニケーションツールです。
「もし」「やっぱり」「結局」「あるいは」といった接続語のカードを引きながら、そのカードの指示に従ってストーリーを展開していきます。
一見シンプルですが、このカードによって強制的に話の流れが変わるため、予期せぬ展開を楽しみながら、柔軟な発想力を鍛えることができるのです。
たとえば、自己紹介をしようという場面で、同じAさんのがどう変わるか見てみましょう!
【普通の自己紹介】
「私は営業部のAです。入社5年目で、主に新規開拓を担当しています。趣味は登山で、休日は山に登っています。よろしくお願いします。」
【KATARUTAを使った自己紹介】
「私は営業部のAです。
(カード:じつは)じつは、入社当初は営業に配属されたくなかったんです。
(カード:どうせ)どうせ自分には向いていないと思っていました。
(カード:ところが)ところが、初めて契約が取れたとき、お客様に感謝されて、この仕事の意味を実感したんです。
(カード:それでも)それでも悩むことはありますが、今では新規開拓のやりがいを感じています。」
いかがでしょうか。同じ人物の自己紹介でも、KATARUTAを使うと、単なる事実の羅列から、葛藤や転機のある人間らしい物語へと変わります。
普通の自己紹介では出てきにくい「本音」や「弱音」、そして「それを乗り越えた経緯」といったおもしろい部分が、カードによって自然と引き出されるのです。
KATARUTAで使われる「じつは」「どうせ」といった接続詞は、普段の自己紹介ではあまり使わないからこそ、思いがけない展開を引き出してくれます。
聞く側も、単なる情報ではなく、感情の動きを伴ったストーリーとして記憶に残りやすくなります。
僕自身がKATARUTAで一番重宝しているのは、思考モードが変わるきっかけになることです。
「予期せぬ状況をいかに乗りこなすか」という即興性と柔軟な発想力が出てきます。クリエイティブな会議には不可欠ですからね。
思考を転がす。それがKATARUTAの本質だと思います。ピンと来た方は、HPをチェックしてください。
なお、僕はこの会社とはなんの関係もありません(笑)。