ビジネス界によく出てきては、すぐ消費されてしまうバズワードに、正直なじめません。
最近は「リスキリング」(reskilling)があやしいなと見てます(笑)。これから職場や企業で必要とされるスキルを習得し直すこと。
目的は、人工知能や自動化により職務が変化する現代のビジネスで、従業員が競争力を維持し、将来にわたって雇用されるためとか。
基本的な考え方や必要性は、そのとおりだと思います。ただ、この言葉が叫ばれる意図や背景に少し違和感があります。
先日もリスキリング関連の新刊記念セミナーを聞いていたら、著者の方が、なぜリスキリングが必要かの理由は大きく2つしかないとおっしゃってました。
ひとつは、日本経済におけるイノベーションの欠如をなんとか解決するためには、従業員の学び直しが必要だと。
もうひとつは、人生100年時代に、自分の価値をアップデートし雇用主にそれを買い続けてもらえることが必要だから。
この本のターゲットは、おもに40代後半以降の「粘土層化」した人たちに向けたものらしいです。
ところが、おもしろいことにその新刊本が買われているのは、主には20、30代の層であって、ターゲット層にはまったく届いてないということを出版社の編集者が漏らしてました。
「そりゃ、そうだよな〜」っていうのが率直な感想です。なぜ届けたい人たちに届かないのか?
その人たちの内側に働きかけるメッセージが弱いからでは・・・
そもそも、そのセミナーの副題が「学ぶか?沈むか?」なんですよー
時代は変わったんだと危機感煽って、行動を仕向ける方法の効果はどうなんでしょう?言われるほど、たぶんやりません(笑)。
気持ちが暗くなってくるし、楽しくない感じがします。
厳しい現状を認識することはもちろん必要ですが、時代が変わって、むしろチャンスとも言えるでしょう。
外側からやらされるよりも改めて自分の内側の欲求に目を向け、自分に問いかけるところから始めた方が効果的だと僕は思ってます。
いま、40、50代の会社員を対象にしたセカキャリ支援の半年間で10回にわたるワークショップをやっています。
何十年もの積み重ねを新鮮な目でふりかえるところからその人らしさや強みがあぶり出てくるのに接すると本当にうれしくなります。
しかも、会社員の選択肢も会社に残るか?起業か?のゼロイチな選択ではなく
再雇用、社内創業、副業、転職、起業、社会貢献、趣味などの多様な選択肢の組合せが可能になってきています。
つまり、まず、先日もお伝えしたセルフ・コンコーダント・ゴールを定め、実現するためのロードマップを描き、それに必要な「リスキリング」をすればいいのです。
内発的な動機につらなるようなリスキリングを楽しみませんか!!