キャリアデザイン研修などに関わっていると、鉄板メソッドとして出てくるのがWILL/CAN/MUSTフレームですね。
「何をやりたいのか?」
「何ができるのか?」
「何が求められるのか?」
でも、いきなりこれを使うと凡庸なアウトプットになりがちなんですよね。
どうしてもいまの仕事の延長線上でやりたいことを考えたり、
目に見えやすいスキル・資格や知識でできることを探したり、
日々改善を求められている弱みの克服に縛られたり。
せっかくいいフレームなのにもったいないなぁと思います。
なので、僕自身がこのフレームを使うときは、その前に必ず、自分のアイデンティティや内面的な特性を「ありたい自分」(be)として把握し言葉にしていただきます。
そんなbeにしっかり見合うdoを、フレーム使って考えるのです。
僕の友人であるひとり起業家のコンサルタントの例をあげます。
彼のbeは、まわりにいる人たちのワクワク感を高め、勇気づけられる自分でありたい。
それを実現するdoは、忘れていたワクワク感を取り戻し、夢中で仕事できるようになるワークショップ。
WILL:そのために新たな表現のスキルとしてグラレコなどを学んでいます。
CAN:彼の強みの源は、自ら素のままでいることで相手の素を引き出すこと。
MUST:とにかく忙しい人なので時間を確保できるタイムマネジメント術を身につけること。
つい先日もお話する機会がありましたが、beにつながるWILL/CAN/MUSTが束でつながり、ブレていないので、ますます幸せな働き方に邁進しているようでした。
話は変わって、最近、WILL/CAN/MUSTフレームを拡張的に使えそうなヒントを見つけました。
ご存知、リンダ・グラットン著『LIFESHIFT』に出てくる3つの無形資産―生産性資産、活力資産、変身資産です。
僕は、WILLと変身資産、CANと活力資産、MUSTと生産性資産を紐つけてみたら面白いかもと考えています。
変身資産は、変化に適応し自己変容させる力として、WILLを定めるためのヒントに活用していく。
例えば、新しいスキルを学ぶ意欲/失敗から学ぶ柔軟性/ライフステージごとの目標設定
活力資産は、健康を維持し、人々とつながったりする力として、CANを定めるためのヒントに活用していく。
例えば、自己ケアの習慣/家族との時間/趣味や趣味グループへの参加
生産性資産は、仕事に役立つ知識やスキルで自分自身への責任を果たす力として、MUSTを定めるためのヒントに活用していく。
例えば、データ分析能力/プレゼンテーション技術/クリエイティブな問題解決能力
もちろん、両者はぴたり一致する関係にはないけれど、WILL/CAN/MUSTを補強的に考えるときに役立つのではないかと。
みなさんはどう思われますか?