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社員パネリストがキャリアを語る場で

先日、クライアントの大手企業にて、社員パネリスト5人が登壇して

自らのキャリアを紹介し、社内でキャリアを築くことをテーマにしたパネルディスカッションが行われ、そのモデレーターを務めました。

仕事柄、パネルのモデレーター(進行役)を担う機会は結構ありますが、パネリスト全員が社員というのは初めてで、とても新鮮でした。

本社の大きな会議室を使い、そこに集まった社員と、オンラインで参加した社員とで全部で80名くらいになりました。

全員が手上げ式で申し込まれた方々です。参加者には何を期待するかのアンケート調査も事前に実施されました。

やっぱり、同じ会社の社員が登壇するということで、背伸びしないで、現状の悩みや疑問も含めた本音を聴きたいという声がかなりありました。

あとは、社内でキャリアを築く上での具体的な質問がたくさん。

「やりたいことがあっても、異動の希望が通るわけではないのでどのように対処すればいいのか」

「育児や家庭との両立をどうすれば実現できるのか」

「中途入社の場合、どのようにキャリアを歩めばいいのか」

「副業している社員はどんなことをやっているのか」

等々。

これらの質問に答えられるだけの多様な経験や職種を持ったパネリストが集まったので、お答えするのにまったく問題はないと思われましたが

僕の方では、その前に、彼らのキャリアの本質的な側面をまず紹介した方がいいと考えました。

質問にあるようなHowに触れるだけでは大事な要素が抜け落ちてしまうことになってしまうなと。

キャリアには、積み重ねてきた職業上の経験、実績、地位、人脈などの「外的キャリア」とともに

働くことに対する価値観、動機、想い、感動などの「内的キャリア」があります。

「仕事で大事にしていることは?」

「なぜこの会社を選び、この仕事をしているのか?」

「この仕事で心の底から実現したいことは?」

キャリアデザイン研修などで多くの会社の方々とかかわっていると、どうしても視点が「外的キャリア」に偏りがちなことを感じます。

でも「内的キャリア」の意味や価値をお伝えし、自分自身のそれに想いを馳せ、言語化していただくと、その大事さにほとんどの方は気づきます。

今回のパネルディスカッションでは構成を大きく二部制にしました。

前半は、パネリストの外的キャリアと内的キャリアがどうリンクしているのかを個別に見ていきました。

その上で、後半はさきほどのHow的な質疑応答の場にしました。

どんな受け止めをされたのかは事後アンケートの結果を待って、またお伝えしますね。

今回、参加いただいた社員は、年代や階層などもさまざまでしたが、まだ一部とは言え、自律的なキャリア形成についての興味・関心が徐々に高まってきていることを感じています。

いきなり年代別キャリア研修などを仕組みとして導入するよりも、この会社のように、自然なカタチで意識が高まっていくような動きから始めていくのは、アリだなと思います。

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