5.25にとても面白い対談が、ZOOM上で実現しました!
本質行動学の西條剛央さんと、自己組織化の田原真人さん。
実は、両者には共通項があるのです。
二人は、ともに若い頃、複雑系の科学に希望を見いだして研究した経験がありました。
西條さんは、「複雑系が数量化の呪縛に囚われている」と気づき、そこから抜けて「質的研究」へと方法を変えていきました。
田原さんは、「複雑系では<生成>を扱えない」と気づいて、「生成的な対話の場」をつくる「実践者」になっていきました。
そして、そのときの問題意識をアンカーにして、それぞれの道を追究しているとも言えるでしょう。
西條さんは、世の中で起きている人や組織による現象を、状況と目的をより理知的に見極めることで(質的研究で科学性を担保しながら)説明する方法論を構造的に導き出そうとしているように見えます。
田原さんは、あくまでもいのちの生成的な働きに信頼を置き、一人ひとりが自分のいのちとつながれば、「森が百発百中、森になる」のと同じように、ありたい状態に向けた自己組織化へ向かうと。
だから、「社会的な抑圧によって行動が単純化される状態から脱すること」を通して、「いのちが大切にされる社会」へ繋ごうとしているようです。
私自身は、人と組織の間に巻き起こるさまざまな現象の中で、対話によってよりよい解と思われるものを導き出す支援を、現場一筋にやってきた者ですが、
それらはふり返ってみると、田原さんの言う自己組織化に近しいことに立ち会ってきたような感覚があり、与贈工房でさらに磨きをかけたいと願っています。
が、一方で、西條さんが目指すようなアプローチにもぜひ関心を持ち続け、その知見を現場で試したいとも考えています。