前職スコラ・コンサルトという企業風土改革支援の会社で「プロセスデザイナー」(要はプロセスコンサルタント)になったのが2006年。そこから15年間、ずっと「プロセス」と格闘してきました。
組織におけるさまざまな要素は、「コンテント」と「プロセス」の2つに大きく分けられると言われます。
「コンテント」とは、話をされている内容とか、仕事や課題の内容といった目に見えやすいもののこと。
一方、「プロセス」とは、目には見えにくい人間の内面的なことや集団の関係性の質、あるいは、仕事のやり方や手順等を支えるもの。
プロセスは、さらに「タスクプロセス」と「メインテナンスプロセス」に分けられます。
前者は、課題解決のプロセスとして、アイデアの出し方、意思決定や時間管理のしかたなど。後者は、集団における人と人の関係性とか雰囲気を指すのが一般的です。
僕が個人的に最も興味があり、得意とするのは「タスクプロセス」なんです。
ただ、最近は、一般的な「タスクプロセス」の定義がいまひとつしっくりきてなくて、ちょっと思い切った解釈に踏み込んでます。
つまり、「プロセス」というのは、いまここでまさに起きているが、なかなか目には見えにくい現象であるとすると、上記のようなアイデアの出し方、意思決定や時間管理のしかたというのは、むしろ目に見えやすい要素ではないかと。
で、僕は「タスクプロセス」=物事の背景に隠れて目に見えにくい解釈の枠組みと定義しています。もっと言えば、課題の背後に潜んでいる構造、文脈や本質のこと。
そして、これまでの思考・行動パターンでは解決できないほど複雑な課題に、チームメンバーの価値観・信念・前提にまで踏み込んだ上で、
問題の構造、文脈、本質を解きほぐしながら解決していくファシリテーションを目指しています。
例えば、働き方改革が本質的に進んでいない状況には、自社の事業を通じて顧客や社会に新しい価値を提供するために必要な仕事のやり方や働き方を考えることが重要で、
時短のような目に見えやすいところで小手先の改善を図ろうとしがちなメンタルモデルや実態を構造として明らかにしていくしかないのではないでしょうか。