ティール組織的な組織運営で有名なゆめみという企業のCHRO(最高人事責任者)をされている太田昂志さんが
組織の風土と文化の違いについて、それを人にたとえて、おもしろい考え方を提示されています。
https://note.com/oh1ta/n/nb55a862f4b0f
人で例えると、組織文化とはその人の”哲学”。「私にとって〇〇が大事だ!」というような信念に近いもの。
組織風土は、人が長年の生活で染みついた”癖”のようなもの。「ついつい〇〇しちゃうんだよね」のように無意識に行動してしまうもの。
直感的にすごくピンと来ました!!
僕は、独立する前は、スコラ・コンサルトという組織風土変革のコンサル会社に長くいましたが、はずかしながら、両者の違いをあまり明確にしていませんでした。
スコラの中では、風土=その組織に根付いた人々の思考・行動様式と定義していました。
風土と近いと感じてはいても誰も「文化」という言い方は社内でしませんでした。
その理由が、太田さんの論によってわかった気がしました。
スコラのときは、階層間や部門間などに典型的に生じるドロドロした葛藤や衝突の中に丸腰で入っていくことが多かったです。
ある製薬会社の支店長さんは独自の人材育成をしているらしいと、そのお話を聞かせてもらいにい行っ
たら・・・
「朝まで飲みに付き合わなければ絶対にしゃべらない」と言われ、ほんとjに朝まで付き合ったら洗いざらい話していただけたり。
こんな慣習もきっと「風土」だったのだろうと思います。
だから、われわれは風土の中にズブズブ入り込むことをしました。それでしか見えないものがあるから。
こんな泥臭いアプローチをするコンサルは他にないようで、ある外資系コンサル会社の幹部から「スコラさんはドブ掃除屋さんですね」なんて言われたりしました。
僕はその言葉をいまでも誇りにしています。
「長年の生活で染みついた”癖”」はそう簡単に変えられませんね。だからこそ、ドロドロの中から見えてくる真実をつかまえる格闘をしていました。
前述の支店長さんは、本社や並びの支店長からの評判はよくありませんでしたが、支店のメンバーやドクターからは絶大な信頼があったんです。
そのやり方をそのままは踏襲できないけど、エッセンスを探って実践できる形にするなら可能です。
つい、風土の話が長くなってしまいましたm(__)m
一方、「文化」は、組織が大事にしたい哲学であるということは、風土の体当たり的なものよりも思考や意志の力で創っていくイメージでしょうか。
もちろん、机上の空論になってしまったらダメですけど。
こちらの方は組織が追求する価値観や信念、行動指針などを包括する概念なので、うまく定められたら組織内の人々が一緒に働く上での指針となります。
ここまで書くと「文化」にアプローチする方が「風土」よりも効果的に見えるかもしれません(文化の方が洗練された感じは間違いなくありますね)。
が、僕はどっちかの問題ではないと思います。
組織文化は、意図的に形成することもできますが、組織風土からエッセンスを抽出して創ることもできますよね。
そして、その方が地に足のついた本質的なものが生まれるのでは。
結論としては、風土と文化の違いを明確に認識した上で両者をうまく相互作用させながら活用していくこと。
みなさんは、どう考えますか?ご意見いただけたらうれしいです!!