前回より、とんがり研の自律分散チーム論(4回)連載を始めました。
「一般論を超えて」(その0)に続きまして、「私らしさ」をあきらかに究めるを今回はお届けします。
チーム論なのに、いきなり個に思い切りフォーカスすることにちょっと変だと感じるかもしれません。
たしかに、前回ご紹介した一般論的には「共通の軸を持つ」からスタートするとなってますし。
それにはこんな背景があるんです。
クライアント企業まわりの話としてこんなリーダーの悩みを耳にします。
・組織の目的やビジョン、価値観など自分なりにわかりやすくしてチーム内で共有しているつもりなのにまったくジブンゴトにならない。
・これまでの言われたとおりにやることに慣れてしまっており、自分のWILLを見失ってしまっていてリスクを取ってでもとはならないのかも。
・あるいは、上からあれこれ言ってくるのは思いつきも多く我慢して通り過ぎるのを待てば、いずれ収まると思っているのか。
いずれにしても、そういう状況では伝えようとすればするほど、メンバーとの距離は離れてしまいがちです。
その原因はこんなところにあるのではないかと僕は考えています。
メンバーにWILLがないのではなく、自分の想いや持ち味に蓋をしてやり過ごした方が、日々の仕事を安全にこなすには得だと思っている。
たしかに、そのような考え方には合理性もあったかと思います。
しかし、大きく言えば、その結果が日本企業の長期低迷につながっているとも言えないでしょうか。
その意味ではもう待ったなしの状況でしょう。
一人ひとりの特性(らしさ)を掘り起こし、そこを起点に始めること。
いま「人的資本経営」が最期の切り札として脚光を浴びているのも、潜在的にはそこに問題意識があるからではないでしょうか。
では具体的にはどうすればいいでしょうか?
僕がお勧めしているのは、自分が何者であるか、何を大事にしているのかなどをあきらかにする問いによって「私らしさ」を掘り下げていくことです。
例えば・・・
「これまでの人生でしてきた選択で一番インパクトのあるものは?それはなぜ?」
そんなプロセスを経て、セルフ・コンコーダント・ゴール(自分の内奥にある根源的な欲求にもとづき追究する目標)を言葉にしていきます。
「ワイガヤお祭り的な感じで楽しみながら、その人らしさが輝き、みんなの笑顔が溢れる、共創・共生の場を育む」
ある会社員の方のものです。
彼女は管理系の職場にいながらも、これを仕事でも、プライベートの活動でも、フルに発揮しながら日々を過ごしています。
これが僕の掲げる自律分散チーム論の入り口になります。
では、一人ひとりのらしさが解き放たれていったら・・・
次回はそのステップをお伝えしますね。