いま、「パターンランゲージ」づくりに、仲間たちと真剣に取り込んでみようとしています!
「パターンランゲージ」って何?という方に、私が思いがけなく出会った(=「邂逅」と言います)経緯とともにお話しますね。
私はまぎれもない凡人です。ですが、人間というもの、それでも一生に一回くらいは何かが降りてくることがあるのかもしれません(笑)。
私が2015年に、経団連から出版した『組織の未来をひらく創発ワークショップ-「ひらめき」を生むチーム 30の秘訣』(俗称:そうはつ本)は、自分で書いている気がしないまま本になった感覚がありました。
1冊目の、異端児を礼賛した本が、自己主張丸出しだったのと対照的でした。
この本を出したときに、ある人から「この本は、『パターン・ランゲージ』ですね!」と言われたことがあって、すぐに気になって調べてみました。
すると、まさに私がそうはつ本を書こうと思ったのと同じ発想で、1970年代にウィーン生まれの建築家であるC・アレグザンダーが知る人ぞ知る名著を書いていたことを知り、それは衝撃的な出遭いとなりました。
彼は、地域まずありきを与件とした街づくりや家づくりの中で、大事になると考えられる普遍的で、かつなかなか言葉で説明しにくい概念を、「パターン(Pattern)」として言語化、体系化しようとして全部で253のパタンを記述しました。
そのパタンを象徴的に示す写真やスケッチも多用し、使い易さと分かり易さのために、どのパタンも同一の書式でまとめました。
以下に、そうはつ本で私が挙げた「30の秘訣」のうちのひとつをパターンランゲージにしたものをサンプルでお見せします。
つまり、パターンランゲージとは、簡単に言えば、こんなことになります。
私もまた、創発が生まれるための、世にまだないホンモノのプロセスを書きたいと思ったのが、そうはつ本を書くきっかけでした。
それはスキルでもノウハウでもない「何か」、名前のつけようのないものでした。しようがないのでとりあえず「30の秘訣」としたのですが。
こうやれば必ずうまくいうという類のものでなく、読み手に僕なりの概念を投げかけ、自分で考えたり、実践してみるためのものとして受け取ってほしかったのです。
そのための工夫として、私がクライアント先で体験した事例をアレンジしたストーリーを併記して、その解説として使うというやり方と、伝えたい概念を象徴するイラストを入れることでした。
後者について、気心知れた藤野のアーティスト・ユンボに狙いうちでお願いしたのは、その想いを最も実現してくれそうな存在だと思ったからです。
さて、『パターン・ランゲージ』は、その後、ソフトウェア開発の分野や、教育や組織の分野に大きな影響を与え、現在に至ります。冒頭に書いた、私たちのパターンランゲージづくりへの新たな挑戦のお話は、また場を改めますね!