「ギブアンドテイク(give and take)」という言葉がありますね。
これは、何かを他者に与えたら代わりに何かをもらう、逆に、何かをもらったら代わりに何かを与えるという相互関係のこと。
それはわかっちゃいるけど、まずは相手からもらわないとねとか、いやいや、まず与えるとこから始めないと何も始まらないとか、現実的には結構むずかしいところ。
雑に言ってしまえば、前者はテイカー(Taker)的で、後者はギバー(Giver)的傾向と言えるでしょう。
ペンシルバニア大学ウォートン校の組織心理学者アダム・グラントさんが面白い実験をしました。
先の、テイカーとギバーとその中間で損得のバランスを考えるマッチャーの3つのタイプの中で、どの人が結果として、一番経済的な利益(高いポジション、給与)を得られるかというものです。
結論としては、他者の笑顔を喜びとするギバーが一番利益を得ることがわかりました。
ただし、滅私奉公ではなく、自分の限られた時間を大事にしながらのギバー。
これを現実の組織に生かさない手はないですよね。
先日、ある大手企業の研修の場で、こんな試みをしてみました。
一日の研修をグループワークを中心にしたスタイルで進め、参加者一人ひとりが最終的にそれぞれの目標を設定しました。
その目標達成に向けて、その日に一緒にワークに取り組んだ仲間全員から貢献できる具体的なアクションを出してもらうというセッションを導入しました。
多くの場合、研修やって、なんとかアウトプットまで出したけど、それを職場に戻って実践するかというとなかなかハードルが高いですよね。
上記のように、自分のことだけでも手間がかかるのに、グループ全員に対して何か貢献するなんてめんどくさいことじゃないですか?
ところが、お互いの他者貢献アクションを交換し合う場において・・・
みんなの顔つきが変わり、イキイキして語り合うのを目の当たりにしたんです。
ZOOMでやってましたから、ブレークアウトルーム6つ全部、僕は回りました。すべてのルームで同じような「現象」が起きているのにびっくりしました。
ああ、人は誰かの何かの役に立ちたい生き物なんだって、改めて感じました。
これを使わない手はないなと目論んでます(笑)。
密かに自分の中では「プロジェクトぎばぎば」(giver & giver)と名付けました〜
これを面白いなと感じた方はぜひ作戦に加わってくださいね!!