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学者と実務家のハッピーなコラボ

今年の1月に、仕事における学びを、いかにデザインするかについて、大手企業数社の人財開発部長と課長が参画するミニラボの場ができました。

ある大手研修会社が主催しており、ここに経営学者の立場から若き気鋭の宍戸拓人先生(武蔵野大学)が、

実務家の立場から僕が、アドバイザーとしてかかわっています。

学びと言っても領域はさまざまですよね。

経験学習、自律的な学び、学びにおけるエンターテインメント性などなど。

参加する各社が学びたいテーマをまず決め、それに関連する最新の海外学術論文を、宍戸先生がいくつか選んで、そのポイントを紹介してくれ、その後は、自由に対話していきます。

頻度は約2ヶ月に1回ペース。

僕は人と組織に関わる仕事をして27年になりますが、これまでは、企業人事にいたときも、コンサルタントになった後も、さまざまな学者の先生とかかわらせていただきました。

ただ、多くの場合は、ある専門領域について、学者が研究成果を伝え、その知見をビジネスの実務家であるわれわれが基本的に受け取るという構図でした。

ところが、今回のミニラボでは、まったく状況が違います。

宍戸先生は、ある意味、ネタとして最新の論文情報を紹介してくれるのですが、そこから先は、実務家としての立場や経験も踏まえて、それを自由に解釈しながら対話していくスタイルなんです。

だから、論文の内容からいい意味で逸脱することも少なくありません。

たとえば、職場における楽しさ(fun)が学習行動にどんな影響を与えるかの調査結果が示されたときも

「そもそも仕事の楽しさにはinteresting的な要素もありますよね」「そっちから考えた方が、学習行動への影響では意味があると思うのですが、どうでしょう?」みたいな。

研究成果をそのまま受け取るのでなく、呼び水として活用するというのが新鮮ですし、実務家としては参画の主体性が違ってきます。

実は、宍戸先生が紹介する論文の中には、学者と実務家が有効にコラボするために何が求められるかというのもありました。

厳密性を重視する学者と、有用性を重視する実務家が有効にコラボするには、

学者が自らの示す内容が不完全であることを認め、実務家もそのように認識することで両者が協力し合うモチベーションが高まったという結論でした。

宍戸先生のスタンスそのものですね!

こういうコラボが、もっと日本の中で広がっていけばおもしろいことがきっと生まれると思うのですが、いかがでしょう?

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