お付き合いのある大手研修会社からこんな依頼をいただきました。
その会社のクライアント企業100社以上の人事部の方々に組織開発の理論と実践を学び、対話する場の企画・運営をお願いしたいと。
僕がこの仕事を始めた16年前は「組織開発って何なのですか?」と聞かれることも多く、一からその説明するのに苦労した覚えがあります。
ところが、この十年くらいでしょうか、ひとつのブームにもなっており組織開発の存在を知らない人はほぼいなくなり、
「私、組織開発やってます」という人も一気に増えた感じです。
認知が広がったことは、とてもうれしい一方で、組織開発の本質はあまり理解されずに、一人歩きしている側面もありますね。
その意味で、10月に予定されるこの場は、本質を理解いただく格好の場になりそうです。
でも、ふと思いとどまりました。
組織開発について、こちらが大事だと思っていることを伝えても、相手の状況やニーズに合わなければその情報は素通りされるだけ。
実は、そんな失敗を何度か繰り返してきた反省もあります。
今年の4〜6月で、幸せ視点のすごい事業のつくり方を学ぶ「hintゼミ イノベーションクラス」に、オンラインで通いましたが、
その起点に置かれているのが、「顧客が解決を熱望する課題を見つける」
ドラッカーも言ってます。
「顧客と市場を知っているのはただ一人、顧客本人である。したがって顧客に聴き、顧客を見、顧客の行動を理解して初めて、
顧客とは誰であり、何を行い、いかに買い 、何を期待し、何に価値を見いだしているを知ることができる」
そこで、設定した顧客像に近いと思われる方々の声に徹底的に耳を傾けるのです。
・その課題は本当に存在するのか?
・誰がいったい困っているのか?
・競合品やその問題点は何なのか?
5人に聞けば、問題の80%は見えてくるということが、ヤコブ・ニールセンの実証調査からわかっているそうです。
これをお聴きするインタビューをCPFインタビューと呼びます。Customer Problems Fitの頭文字C+P+Fですね。
いま、僕が別途、事業化を進めている50代会社員のセカンドキャリア支援も事業の可能性を探る起点にはこのCPFインタビューがありました。
さて、今回、こんな体験も踏まえて研修会社に逆にお願いをしました。
「組織開発まわりのところでお客さんが一番気になっていることは?」を数社にて、お聞かせいただくことになりました。
おわかりのとおり、CPFインタビューそのものではないのですが、その考え方を応用的に使ってみようと考えています。
インタビューで見えてきたことは、エンゲージメントサーベイなどであぶり出された組織の諸問題に対し、全体像を把握することなく、一つひとつに個別に対応しようとしていること。
既存の経験や知識によって技術的に解決可能なことならば、個別に手を打っていくことである程度、効果が出せるのですが、
これまでの思考・行動パターンでは解決できないほど複雑な問題ではそのやり方で効果を発揮することはほぼできません。
そのような問題をどのように捉えればいいのかについて、組織開発的な切り口から取り上げていくつもりです。
その場でどんなことが起きたのかについては改めて共有しますね。