『ティール組織』が2018年に翻訳出版され、十万部以上売れてブームになったとき「また流行りで終わってしまうのでは」という悪い予感がしました。
ティール組織とは、組織を一つの生命体のように捉え、組織に関わる全ての人が対等で自律的に行動することを目指す創造的な組織モデルのこと。
ビジネスにおいて新しい概念が爆発的に広がると、どうしても大量生産→大量消費の流れに飲まれてしまいがちですね。
同様の組織づくりを地道に目指してきた身として、このブームや消費されてしまった失敗からの学びを最近、noteに書いてみました。
https://note.com/tongari_ken/n/n7f2f929104ad
ティール組織を純粋に実現すべきモデルとして追求してしまうとその本質を横に置いて、ややこしいしくみ論になってしまいます。
僕は正直言って、そんな理想論は現実問題としてありえないと考えます。
むしろ、その本質的な要素を、自分たちの組織に合った形で取り入れることはできないか?というくらい気楽なアプローチの方が長続きすると思うのです。
少しティール組織を離れて考えてみましょう。
組織という装置は、そもそもはひとりではなしえないことを実現するための「協働システム」として発明されたものですね。
しかし、世の中が、ここまで、なんでもかんでも組織で動くようになると、逆にその恩恵よりも、組織は最初から
当たり前に存在するものとして寄りかかるための隠れ蓑としての弊害の方が大きくなっていると感じます。
特に大きな企業のメンバーと向かい合っていると、「自分の人生を組織というシステムにそんなに預けちゃって大丈夫?」
という疑問が湧き上がってくることも少なくありません。
組織がそこまで個のいきいきとした自律性発揮を阻む存在ならいっそのこと、発展的に解消した方がいいのではとさえ思います。
その点、ティール組織は、従来型の組織とは異なり、メンバーが、組織の目的や使命を共有した上で、
自分の役割や責任を自ら決めて行動することに重点がありますから、僕のいう「組織の発展的解消」を実質的に進めるのにも効果かもしれません。
そこから新たに組織を組み上げていく方が楽しいと思うのですが、どう思われますか?