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組織開発の普及に潜む落とし穴かも

新しい年が始まりましたね。みなさんは今年、どんな年にしたいですか?

さて、新年一発目は少し気になっているテーマを取り上げたいと思います。

僕が外資系企業の人事から組織開発のコンサルタントに転身したのが2006年。当時は多くの方々が「組織開発って何?」という状況でした。

クライアントにもまずその説明から入るのですが「そんなの意味があるのか?」からスタートするのが通例でした。

あれから18年経って、組織開発がこんなにも企業ビジネスに普及するとは!ほんとうに嬉しいかぎりです!!

僕の専門である自律分散型組織関連でも、アジャイル型組織、ティール組織、ホラクラシー組織など次々に新しい洗練された理論が世の中に出てきています。

ソース原理というトップダウンかボトムアップかの限界を超える面白いアプローチにも注目しています。

各組織の目指す姿や現状に合わせてこれと思うものを実践するための選択肢が増えるのはいいことです。

ただ、一点だけ、ちょっと懸念していることもあります。

“綺麗”すぎないか?という点です。

組織づくりをするのは、複雑で不安定な情動を持った人間です。

上記の理論は、もちろんそこにも視点があり、自分の内なる声に耳を傾けたり、他者の情動を理解・尊重することも大事にしているようです。

ただ、関連する本を読んだり、実践者の話をお聞きするとポジティブな側面が多くのウェートを占めているように見えます。

組織開発支援で企業現場に20年弱かかわってきた体験や感覚からすると、現実の組織に対する負の情動も出てくる方がより自然なのではと感じます。

「闇は光の母」とも言います。

自分の想いが組織の中で踏みにじられたりして、抑えこんでいたものが「うめき声」として一気に噴出してくる中から

ほのかに見えてくる光のようなものには、本物の輝きやエネルギーがあります。

いやいや、そんな世界に戻しましょうと言っているのではありません!

洗練された理論や方法論を実践するときにも

「これって、あなたが本当にやりたいと思って言ってることなのか?」

「場の流れに合わせて、頭で考えただけで言ってないか?」

といった視点をファシリテーターは持っていた方がいいかもしれません。

意地悪だと思われても(笑)、いい意味での「揺さぶり」をかけることが、人間の本性にもとづいた本物の組織づくりにつながる気がしています。

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