とんがり研のHPページタイトルは・・・「創造的な自走チームのつくりかた」と置いてます。
今回は、原点に返ってなぜ自走するチームが必要か?について、2回に分けて改めて触れたいと思います。
最近、これを説明するのに一番しっくりきているのが、起業家であり、経営学の教育・研究者でもある斉藤徹さんの「3つのパラダイムシフト」のお話です。
斉藤さんとは、いろいろと一緒にやらせていただいており、その考え方に敬意を表して論を拝借させていただきます。
現代社会は、3つのパラダイムシフトを経て、いよいよ知識社会が本格的に到来していると言えます。
3つのうち、ひとつめが「デジタルシフト」で1995年頃から。
この年、マイクロソフト社のWindows95が発売され、ネットスケープ社が上場するなどがありインターネットが世の中に普及し始めます。
それまで、リアルな場で、限られた人しか知り得なかった情報という存在は、所有すること自体に価値があったのに
ネットを通じて誰もが情報につながることができる環境ではそこから優れたアイデアを生み出すことに価値が移行していきました。
二つめが「ソーシャルシフト」で2008年頃から。
この年は、リーマンショックが起きて行き過ぎた資本主義に対する見直しの声も上がり始めます。
時を同じくして、ソーシャルメディアが登場。facebookの日本語化が推進されたのもこの年。Twitterが日本に上陸したのも2008年でした。
これらは、人のつながりによる「共感と信頼」を大事にしたいニーズを体現するものでした。
そのような流れの中、企業の目的も、社会の幸せを追求し持続可能な繁栄を分かち合う方向へシフトしていきます。
三つめが「ライフシフト」で2020年頃から。
リンダ・グラットン著の同名タイトルの本が日本では2016年に出版されベストセラーに。
教育→仕事→引退という固定的なパターンから、多様な生き方を選択できる社会への変革が提唱されたわけですが
その実践までは、多くの企業人にとっては遠い考え方だったようです。
しかし、コロナウィルスがその状況を一変させます。リモートワークの普及によってこれまでの常識から解放される人が出てきます。
僕の周囲でも、会社員のまま、地域コミュニティに移住したり、やりたかったことをオンラインで副業として始めたり、新たに学校に入って学び直しに取り掛かったりした人がたくさんいます。
というように、3つのパラダイムシフトは結構長い時間的な隔たりを持ちながらも、それらが重なり合うように
大きな変化がうねりとなっていまのこの知識社会を形成していると言えるでしょう。
自走するチームを考えるときなんとなくそれがよさそうだからではなく、シフトしてしまった要素を確実にまず押さえましょう。
その上で、この時代環境を生き抜く方法としての自走するチームが、3つのパラダイムシフトになぜ効くのかを次回お話しますね。