オープンでフラットな関係性をつくって自由に話し合えば、これまでにない新たなアイデアを生み出すことができる。
というのは、真っ赤な嘘です(笑)。
これは、私が組織開発の仕事に十数年間かかわってきた経験からの実感です。
それを世間に訴えるために、創発ワークショップの本を出したりもしましたが、
今回は、碩学の知恵をお借りして、チームで新たなアイデアを生み出す条件について考えてみたいと思います。
そのお方は、理論物理学者であり、かつ対話の新たな概念をひらいたデヴィット・ボームです。
彼が、ダイアローグ(対話)に必要な3つの基本条件として掲げたものあって、はじめて「共創」は生まれるのではないでしょうか?
(1)前提を保留する
ここで言う「保留」とは「自分の前に吊るし、いつでも質問したり、観察したりできるように」ということです。
つまり、自分がこう考えたのは、このような前提があるからだと気づくということですね。意見を持たないとか、表現を避けるということではありません。
「自分の考えの前提に気づく」と私は意訳しています。
(2)互いを仲間と考える
ここで言う仲間とは、「より深い洞察と明確性を共同で探求する仲間」のことです。
「異なる意見を持つ仲間も受け容れる」と私は意訳しています。
(3)文脈を保持する
ボームはダイアログを、二つの岸の間を流れる川における水の流れにたとえ、個々人の意見は「水面を覆い、岸に打ち上げられる草木の葉のようなもの」だとしています。
大事なことは葉っぱに惑わされず「岸と岸の間を流れる水の動き」すなわち文脈を見落とさないこと。
ここで新たな文脈を見いだすことができたら、「共創」へぐっと近くことになります。
「より大きな意味の流れを感じる」といった感じです。
(1)と(2)があって、(3)が見えてきたら最高ですね!
ボームは、(3)にはダイアログの流れを保持するファシリテーターが必要だと言っていますが、チームメンバーが経験を積めば、自分たちだけでもできるようになるとのこと。
私にとって「とんがりチーム」は、そのようなことが自分たちでやれるチームのことを指しています!!